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Feeling!! The South Wind
あの日、ロマンスカーで。
新春乗り放題エボリューション'07
のぞみとゆかいな(?)私鉄達
Spirit of reconstruction
ぬくもりの鐵路
How to viewing...
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第4部:最前列のロマンス

復路はなんと、展望席最前列4席をまるっと押さえることに成功しておりましたので、大パノラマをまるで独り占めしているかのような大いなる優越感に浸りながらの道中です。目的地での過ごし方は二の次。とりあえず、この展望席を確保するために2ヶ月前から謀議を重ねていたわけですから、その悦びもひとしお。
しかも往路より所要時間が長い…つまり長く乗っていられるわけですから(笑)ある意味で乗り得といえるでしょう。

小田原を出ると、グイグイと加速していきます。
自分が列車を運転しているわけでないのに、まるで操っているかのようなフィーリングは前方に開けた景色が成せる業。しかも運転士さんやその他乗務員さんの空間にあるものではなくて我々乗客のために提供された窓から見る景色と受け止めれば、なおさら嬉しく感じるもの。公共の交通機関において、前の景色を楽しめるというのは図り知ることの出来ない印象を利用する側に与えることはこの眺めが物語っているのではないでしょうか。

復路もシートサービスを利用することにしましょう。
最前列に陣取った同志はホットコーヒーをオーダー。VSE編成では普通のコーヒーに加えて有機栽培豆の「プレミアム」なコーヒーも選ぶことが出来ます。
待つことしばし、カゴを下げてアテンダントさんが差し出したコーヒーはガラスのコップに注がれておりました。ここでやっぱり比較しちゃうのがJRの車内販売。
ワゴンサービスで頼むコーヒーは紙コップに注がれて出てくるわけですが、同じコーヒーでも器一つで嗜む気分は随分と変わってきますよね??
それでは自分も…と、オレンジジュースを注文。こちらもガラスのコップに氷が入り、ストローとコースターがセットになって出てきました。一杯300円の投資に見合う、行き届いたサービスにノドもココロも潤います。
会計の際に受け取ったレシートには、自分の座っている座席番号も記載されておりました。
オーダーを取る際に端末に座席番号を控えるシステムを取っているようです。
列車は多摩川を越えて東京都に入ります。
そして、新宿寄りの区間で進められている複々線区間へ…
小田急が担う役割はロマンスカーによる観光客輸送だけではありません。
沿線には短い間隔で駅が設けられ、都心・新宿との通勤輸送や地域間輸送で通勤電車も頻繁に行き交います。
しかし、需給面のバランスと定時運行との兼ね合いから上下1本ずつでは列車をさばききれないことから、複々線による追い抜きも可能にした整備が進められているそうです。駅を通過する際も、中央部の通過線を堂々と駆け抜けます。さながら新幹線のような走りっぷり。特急列車ならではの優遇にちょっと感激(笑)
乱立する高層ビル群が目に付く頃、ロマンスカーの旅路もいよいよクライマックスです。
おりしも、夕方のラッシュ帯に指しかかろうかというところ、通過して行くあちこちの駅では列車の到着を待ち受ける通勤・通学客の人の波も勢いを増してきてました。
そう、今日は平日…フツーであれば仕事している時間帯なんですよね(^_^;)
非日常の空間から味わう、日常の風景の妙を最後のひとときでじっくり噛み締めてみようじゃありませんか…
…感慨に浸る間もあまりなく(笑)列車は定刻で新宿駅ロマンスカーホームに進入してしまいました。ミュージックホーンを鳴らしての徐行進入。目の前には車止めが近づいてまいりました。どの位置で止まるかわからないまま前方を注視するのもちょっとしたスリルがありますが、数メートル手前で無事停車。お見事!!(爆)
かくして、展望席最前列の道中が終わってしまいました。
スペースの都合で先頭車両には乗降用のドアが無く、隣の号車から降りざるを得ないわけですが、その間もしばし椅子に腰掛け、その余韻にどっぷりつかっていたいと考えるのでした。
いつまでも乗っていたいと感じる列車に出会えたのも久々。
まして1時間ちょっとしか乗れないのはなんとももったいない…と思わせるくらいのクオリティですよ。マジで。
ほとんどの乗客の降車が済む頃、展望席の天井から怪しげなアラーム音が響き「ステップが下がります…」との警告。
その後でパカッと口が開いたと思ったら、細い階段が電動で下がってきました。
展望席の真上にある運転席から運転士さんが姿を現します。客室から階段で運転席に上るスタイルはHiSEやLSE編成からの「伝統」のようなものだそうですがこういったハイテクなギミックに進化したのはおそらくこのVSEからでしょう。
こういった動作にも見応えを感じてしまう自分、趣味人丸出しだなぁ(笑)

…というわけで、箱根の滞在よりもロマンスカーの印象の方が色濃くなってしまった今回の旅行だったわけですが、日本に、いや世界に誇れる観光地「箱根」の旅路を美しく演出するにはいい意味で余りあるかのポテンシャル、いい列車を走らせるからにはサービスだって負けない、という乗務員の意気込みがストレートに伝わってくるかのようでした。
車内放送の言葉遣いから、乗客との応対まで。堅苦しさは無いのですが非の打ち所の無いスマートな動作がまた利用してみたいという思いに直結していってるんだと思います。
特急の価値を決定付けるのは車両そのものだけではありません。カッコいい車両は日本全国どこにだって走っています。
その先に求められる乗客へのもてなし。ソフト面の充実の度合いが重要な要素として挙げられることを改めて感じさせてくれました。全部が全部、VSEのようなサービスを行うのには無理があります。
目的はどうであれ、特急を利用する人は日常では決して味わえない時間もお金を払って過ごしているのですから、それに応じたもてなしの心を押し出すことが真の価値観として受け入れられるのではないでしょうか。
ロマンスカーVSEのこだわりぬいたサービスがいい刺激になってくれるよう、全国の特急列車の価値観の底上げを趣味人として願って止みません。

Very Special thanx!! : 政
Special thanx!! :
kazzu  KAZU クハ46 こまち 

あの日、ロマンスカーで
第1部:対面、ロマンスカー
第2部:真価と真価。酔い痴れる
第3部:箱根を垣間見る
第4部:
最前列のロマンス
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