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Feeling!! The South Wind
あの日、ロマンスカーで。
新春乗り放題エボリューション'07
のぞみとゆかいな(?)私鉄達
Spirit of reconstruction
ぬくもりの鐵路
How to viewing...
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第3部:箱根を垣間見る

箱根湯本から乗り継ぐは、小ぢんまりとした箱根登山鉄道に乗ってさらに上を目指します。
スクエアなボディに原色のペインティング。どことなく欧州を気取った雰囲気も漂います。
私の記憶が正しければ、この車両元々はロマンスカーHiSEに準じた紅白塗装だったと思うんですが…どういう意図でこのような色遣いになったのかが気になります。

さて、その登山電車の車内はロマンスカーからの乗り継ぎ客や小学生の遠足の一行が乗り合わせ、通勤電車顔負けのすし詰め状態(苦笑)
良くも悪しくも、箱根観光の人気の高さを窺わせてくれます。
それでいて、ゴツゴツとした乗り味の車両が登山電車ならではの急勾配と急カーブを通り抜けていくわけですから…ロマンスカーのゆとりはどこへやら。
そんな車内で、ロマンスカーで余した缶ビールを飲み干す自分…エライ(爆)

「登山鉄道」ゆえ、線路は一筋縄で終着まで辿り着くことができません。
急勾配克服手段の一つ、スイッチバックで難所を乗り越えます。
箱根登山鉄道には3箇所のスイッチバックポイントが設けられ、その都度方向転換を繰り返しながら高度を上げていきます。
箱根湯本から数えて1つ目のポイント出山信号所から麓を俯瞰します。
左下に小さく見える鉄橋は、つい先ほどまで通りがかったもの。たった数分間でここまで高度を上げてくるとは…思わず絶句。
この車窓が最も優れた景色であることを車内放送がアナウンスしてくれます。
それに耳を傾けていた乗客は一様に感嘆の声。すげぇ…
2つ目の上大平台信号場にて。再び方向転換。信号場にも立派な駅名標が掲げられております。
駅名の下には標高の記述もあり、列車がどれくらい高度を上げて走っているかを知るための目安にもなります。
参考までに、箱根湯本の標高は108M。わずか3キロで100M以上登っていることになります。それまで辿ってきた道程からすると、いかにすごいか…
乗ってみないとわかんないもんですね。
途中駅での乗客の入れ替わりを繰り返し、登山電車は終点の強羅駅に辿り着きました。
ここからは、まさに「天下の険」を象徴付ける急勾配が立ちはだかり、一般的な2本のレールのみで走る「粘着運動」方式では上り下りできないレベルであるということで、ケーブルカーへの乗り継ぎを余儀なくされます。
列車の乗り降りや切符の購入などで煩雑な思い鉄道好きとしては色んなスタイルの列車と戯れることが出来てラッキーだったりするわけですが(^_^;;;;
そういうわけで、強羅からはこのケーブルカーに乗ってさらに上を目指します。
個人的にケーブルカー乗車は青函トンネル記念館の体験坑道線以来の経験なのですが、そのスケールはこちらの方がはるかに上。というよりはこちらの方が本格的な感じがします。
列車と違って傾斜地にそのまま乗降場を設けているので、車体は平行四辺形(笑)
当然ながら、車内も階段状にレイアウトされていて、一段一段にクロスシートが配されております。
先頭部分は乗務員室との仕切りが下半分のドアのみで、仕切りガラスに遮られること無く前面展望が楽しめます。
そして、乗務員の方は運転中も席を離れたり乗客の対応に追われたり…
そうでした。ケーブルカーなので車両側で制御する必要って基本的にはないんでしたね(爆)
肝心の車窓ですが、木々を切り開いて突き進んでいく路線のため、横の視点ではさほど景色を窺うことが出来ません。
その代わり、前後の眺めは圧巻です。ケーブル伝いとはいえ、通常の鉄道では考えられない勾配をストレートに駆け上がっていくわけですから、その光景をしかと見届けておかなくては…
所要時間9分でケーブルカーは終点の早雲山駅に到着するわけですが、我々はまだまだ上ります(笑)
次に待ち受けるは、大涌谷行のロープウェイ。次から次へと移動手段が変わるたびに喜びを感じるのは電車好きというより、乗り物好きの域に達してしまってます(^_^;)
スキー場でよく見かけるゴンドラリフトが山麓駅に現れました。
雪国生まれの自分としては、こんな軽装で乗り込むことにちょっとした違和感を覚えてしまいましたが、気にしない(笑)
ロープウェイは山麓駅を出発すると同時にグイグイ高度を上げていきます。
そして、見る見るうちに地面が遠ざかって…見渡すと、早々にご覧の絶景に広がってまいりました。高所恐怖症の方にはうってつけ(笑)の大パノラマにしばし目を奪われます。紅葉の頃に訪れるとまた一際彩りに溢れるんでしょうね。
大涌谷が近づくにつれ、地面に目をやると荒々しい岩肌とその合間に吹き出る白い煙が目に付きます。
箱根山中で、今でも火山活動を目にすることの出来るポイントとのこと。硫黄分も含まれており、ゴンドラ内にはうっすらと硫黄特有の卵の腐った臭いが…(爆)
大涌谷での滞在時間は40分ちょっと。少なすぎですよね(^_^;;;;
それでも、ここの時間を延ばしてしまうと後から乗る予定の列車に間に合わないということで致し方ありません。乗る列車を中心に予定を組む辺りいかにも「鉄」らしい…(苦笑)
お土産屋さん周辺にて昼食を取ったり、名物の黒い温泉卵を買い求めたりして過ごすことにしました。
昼食後、デザートが食べたくなってソフトクリームを買い求めました。
薄黄緑色のクリームは一見抹茶っぽく見えますが、実はこれ「わさび」のエキスが練りこまれているのです。その名もズバリ「わさびソフト」。
恐る恐る口に運びます…ん! 最初はただのバニラ味じゃんと高を括っていたのもつかの間。後からツーンとわさびの刺激が…(泣)半ベソかきながら完食したのは言うまでもありません(ウソ多し 笑)
大涌谷から箱根湯本までの復路は、路線バスで一気に駆け下ります。
途中から箱根駅伝のコースとして使用される区間も通り、テレビで見覚えのある光景をリアルに体感できることが出来て感激だったわけですが、とにかくテレビで見るより遥かに勾配がキツイ!!こういう条件の中を凌ぎを削りあっていたものなのかと思うと、次からは中継を見る目も多少は変わってきそうな気がしてきました。
写真は、小湧園に位置する「ユネッサン」と称する温泉テーマパークです。
日帰り温泉好きな自分としては、箱根に行った折はぜひとも体験したかったのですが…
その規模たるや、少なくとも半日は時間をかけないと楽しめない由、断念せざるを得ませんでした。次回こそは…
箱根湯本駅に戻ってまいりました。
せっかく箱根まで来て、温泉に入らないで帰るのももったいないという事で帰りのロマンスカーの発車時刻までの間駅前の温泉施設に立ち寄ることにしました。
駅から徒歩移動できる範囲内で探し回っていたのですが、線路伝いに歩いていると写真のような勾配標を発見。駅を発車して早々に80/1000mの急勾配が存在していたのでした。それを何食わぬ素振りで登っていったが故に乗ってた自分も気付かず始末(苦笑)
違った視点からでないとわからんもんですね(^_^;)
数ある施設から我々が選んだのはこちら。その名も「弥次喜多の湯」。
広々内湯に露天、桶風呂、サウナ…と一通りの設備は整っていて、石鹸類も完備。
単純泉のお湯は無色透明でクセも無く、お風呂感覚で楽しめました。
なによりも手ぶらで行ってもお構いなしのサービスは、荷物のかさばる旅行客にとっては大変有り難いサービスとも受け取れます。
お値段もそれなり、2時間の滞在で900円也。もうちょっと長く居たかったのですが、時間が…
いよいよ箱根を離れる時間に… 駅で待ち受けていたのは往路でも乗車したロマンスカーVSE編成のはこね28号。 ここまでの予定が駆け足気味になってしまったのも、この列車の時間に合わせてスケジュールを組んでいたからなんです(^_^;)
この日は車両検査の都合で、稼動しているVSE編成は一本のみ。つまり、往路で乗ったのと同じ編成に再び乗り込むことになるわけです。

第4部:最前列のロマンス に進む

あの日、ロマンスカーで
第1部:対面、ロマンスカー
第2部:真価と真価。酔い痴れる
第3部:箱根を垣間見る
第4部:最前列のロマンス
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