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Feeling!! The South Wind
あの日、ロマンスカーで。
新春乗り放題エボリューション'07
のぞみとゆかいな(?)私鉄達
Spirit of reconstruction
ぬくもりの鐵路
How to viewing...
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第2部:進化と真価。酔い痴れる

スーパーはこね13号は定刻で新宿駅を発車しました。
ショックを感じさせないスムーズな出足、そしてフルカバーリング構造とバツグンの剛性感が生み出す静粛性のおかげで文字通りの「流れるような」走りっぷり。
特急列車はただ速いだけじゃいけない、走りの質感にも徹底したこだわりが必要であることを感じさせてくれる演出にのっけから感心させられる始末。
…そして、新宿から買い込んだ物資を発車早々に広げ、乾杯の準備は完了。
ホテルの朝食から1時間ちょっとしか経ってないのは気にしない!  乾杯!!
おもむろに天井に目をやると、電球色のスポットライトの横には天窓が備わっておりました。
日中はこうして、自然の光が天井から降り注ぐようになっています。
とかく一つ一つの造作にこだわりを持ち、かつ飾りっ気も重要視する設計思想が印象的な中で、自然の力も上手に応用しているかのが今風っぽくて気に入りました。
さて、このロマンスカーVSE編成にも、特急列車では当たり前のサービスといえる車内販売があり、ロマンスカーアテンダントと称する麗しきお姉様方が車内を巡回しているわけですが…JRでよく目にする商品を詰め合わせたワゴンを押して歩くわけでなく、商品の写真を載せた冊子を開いて「いかがですか?」と回っていくスタイル。
VSE編成限定の「シートサービス」と称するものだそうです。
これは初めて。早速注文してみましょう…
商品を注文すると、アテンダントさんはすぐに立ち去り、程なくして小さなカゴを下げて再び現れました。商品と引き換えに代金を支払います。
ワゴンに比べてその場でのやり取りというわけにはいきませんが、そのまめまめしさが逆に好印象。
自分の注文したものを自分の座席まで、自分のために持ってきてくれるというちょっとした優越感も生まれてくること請け合いではないでしょうか。
…って事で頼んだ商品はコレ。アルコールで火照った体にひんやり染み渡るジェラートの甘み。
シアワセ…
では、注文した商品はどこから出てくるのか…車内を歩き回ってこんな一角を見つけました。
VSE編成中2箇所に、このようなカフェスペースが設けられていて、ここがシートサービスの拠点としても機能しているんだそうです。
洒落たカウンターにショーケース、そして対面に立食スペースもあり、ちょっとした気分転換に利用できるように工夫が凝らされておりました。
それでは、ロマンスカーの真髄、展望席へ足を踏み入れてまいりましょう。
先頭車の突き当たりに大きな前面窓が見えてきました。
風景が吸い寄せられるかのようなダイナミックな眺めが飛び込んできます。
天井が低く感じるかと思いますが、この展望席の真上に運転席が位置します。
スペースの制約上、運転士さんはスポーツカーばりに足を伸ばしながら運転するとか。
優雅な走りは、タイトな運転環境から生み出されている点も忘れてはなりません。
一般座席はオーソドックスな回転クロスシート構造、しかしながらそれをただの特急電車と感じさせないアクセントこそがVSE編成の真骨頂です。
それがこのドーム状の客室天井。VSEのVはVault「ドーム型の天井、空間」を意味する英単語。列車の頭文字に充てるに恥じない際立ったその空間は、VSE編成の内面的シンボルとして誇れる特徴だと確信しております。
そして、間接照明に加えて天井をやわらかく照らす光の筋。
電球色に輝くそれは、なんとLEDなのでした。LEDといえば、文字や図を光で表示するために用いられるイメージが強かったのですが、最近のめざましい技術の進歩により遂に照明として用いることも可能になったようです。
目新しい技術をどんどん投入していくという進化の哲学こそ、特急列車のイメージアップにつながっていくのではないでしょうか。
ふと、自分が腰掛けている椅子に目をやりました。
暖色系の生地が木目調の内装と電球色の照明にマッチングしていて暖かみがあるというよりは、癒しの雰囲気を存分に発揮してくれます。
形は非常にシンプルで、それほど重厚なイメージを感じさせませんが、体を適度にホールドしてくれる硬めの掛け心地が車内でのひとときのより良い演出に貢献してくれている感じがします。
新宿を経って1時間と少し、終点の箱根湯本駅へアプローチしていきました。
列車がゆっくりと減速を始める頃、車内は降車に向けて身支度を整える乗客の慌しい動きが始まります。
自分にとってはロマンスカー乗車は大いなる目的の一つということで達成感を満喫していたわけですが、他の観光客にしてみればあくまで箱根観光の第一歩目に過ぎません。それでも、こうしたもてなしを受けることがこの後のスケジュールにも張りを与え、より印象深い思い出となることは間違いなさそうです。車内で到着を待ち受ける人々の表情を見て、そう受け取れましたから。
箱根湯本駅に到着。
列車は折り返し整備のためホームでしばらく待機するわけですが、降り立つや否や乗客の方々はそのまま改札に直行しようとせず、先頭車に群がって記念撮影に勤しんでおられました。列車を降りてなお、余韻を楽しめるのも列車に対する好感の表れ。
いつまでも万人に好かれる存在であってもらいたい。新型車両好きの自分としてはこういった気合の入った造りの車両を見るたびにいつも思いを寄せてたりします。

第3部:箱根を垣間見る に進む

あの日、ロマンスカーで
第1部:対面、ロマンスカー
第2部:真価と真価。酔い痴れる
第3部:箱根を垣間見る
第4部:最前列のロマンス
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