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Feeling!! The South Wind
あの日、ロマンスカーで。
新春乗り放題エボリューション'07
のぞみとゆかいな(?)私鉄達
Spirit of reconstruction
ぬくもりの鐵路
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第1部:終焉に寄せる宴

今回の旅は、一刻も早く九州に上陸したいという半ばソワソワした気分の中で待ち望んでいたので、移動の過程も楽しもうという気持ちの余裕はあまりありません(爆)
そういうわけで青森空港から直行便の飛行機で福岡を目指すことになったのでした。
幸運なことに、この時期に誕生日を迎えられる人がいたおかげでバースデー割引が適用、往復2万円での列島空中移動が実現したのです…
この場を借りて改めて…誕生日おめでとうございます!!>kAZUさん(笑)
約2時間のフライトの後、遂に4度目の九州上陸を果たすことが出来ました。
空港では今回の旅に際し、日程の調整や各種手配に尽力された九州の同好の士や、あっと驚くような(自分が 笑)お方など、壮々たるメンツが集結しており、なんとも派手なお出迎えを受けたのでした(笑)
地下鉄の車内で早速会話を弾ませつつ、福岡の、いや九州の一大ターミナルである博多駅へたどり着きます。
新幹線の車体色である純白の内装に様変わりした駅のコンコースから「つばめ(新幹線)口」と名付けられた改札口を通っていよいよホームへ…
この時点で九州新幹線は福岡県まで到達してはいませんが、新幹線へと通ずる入口であるかのような誇らしげな看板は心理的近くなっていることを訴えかけるには
十分効果があるものと確信しています。
黄昏時のホームにて、家路を急ぐ通勤・通学客に混じってカメラ片手に恒例の撮影大会(笑)をしていると、にわかに大荷物を抱えた乗客と、私のほかにカメラを携えてホームをうろつく人の数が増えてきました。いよいよ「主役」の登場です。
4灯のヘッドライトを輝かせた787系がホームに近づいてくると、いっせいにカメラが車両に向けられ、それまでの和やかな雰囲気から一変し、緊迫した空気が辺りを流れます。
画像のような一連の儀式も、特急つばめとしての最終日を迎えたという出来事があるというだけで一際特別に映ってしまいました。
この787系車両が、特急つばめとしての列車名と西鹿児島行という表示の組み合わせを掲げて走るのは3月12日が最後です。
特に、西鹿児島駅としての駅名もこの日限りというだけあって、この方向幕をはじめ、駅の発車案内板など「西鹿児島」という表示に向けてカメラを構える人の数が多かったように受け止められます。
単なる旅の記録としてではなく、歴史の証人になった気分でカメラに収めました。
先頭車の写真を見ておわかりのように、特急つばめとして走っている7両編成の787系は既にガンメタリックの車体色がより濃くなったリニューアルタイプへの改造が済ませているわけですが、来る新幹線連絡特急の「リレーつばめ」への運用に備えてちょっとした装飾が施されているのでした。
それがこちら。つばめのロゴの左右に金の筆記体で「Relay tsubame」の文字があしらわれているのです。
九州を代表する看板特急から、新幹線を補佐する連絡特急として役割が変わったとしても、誇り高き活躍は続けていくという意欲がこの目立つロゴから伝わってきます。
元のデザインにうまく同化していながら、一際目立つ感じがしませんか?
いよいよ特急つばめの車内に乗り込みます。我々が最後の乗車に指定した座席は、1号車8番「サロンコンパートメント」なのです。
最後の旅路を列車の誇る最高の設備で味わい、最高の形で締めくくりたいという各々の思惑が、この個室の指定券の確保に駆り立てました。
全員が車内に乗り込んだところで、いよいよ発車時刻です。万感の思いを込め、787系特急つばめの西鹿児島への最後の羽ばたきが始まります…
リレーつばめ用のリニューアルを受けた際、このサロンコンパートメントも内装の変更を受けております。
メタリック素材が随所に見られ、ダウンライトに鈍く反射するグレー調の内装は、一変して木目調に張り替えられておりました。
白熱灯のダウンライトに反射し、一際温もりが強調された雰囲気を醸しております。リニューアルをただのリフレッシュにとどめておかずに、新しい価値観を見出してくれるきっかけを与えてくれるコンセプトには大いに感心させられるところです。
さぁ、折りたたまれているテーブルを広げて「酒宴」の準備を始めましょうか。
青森空港で調達した、青森でしか買うことの出来ないお酒とおつまみが、九州の地で九州でしか買えない焼酎との対面を果たしました(笑)
ちなみにこの焼酎、ワゴンサービスでも入手可能のほか、かつて存在したビュッフェのメニューにあったものと同一銘柄とのこと。
このつばめの車内で飲むことで、良き時代をより気持ちよく思い起こすことが出来そうです。場所は違えど、つばめはつばめ。思い出話が弾みそうです…カンパーイ!!
発車してまもなく無料のドリンクサービスやワゴンサービスも個室に姿を現しました。
ワゴンが通りかかる頃を見計らい、個室のドアを開け放っていた我々は一声かけてワゴンサービスを個室に迎え入れてしまいました(笑)
このボリュームですから思わず目移りしてしまうのも無理ありませんが、笑顔を絶やさず「何になさいます?」と問いかけられるとこちらも商品選びに力がこもってしまいます。
そんな中でメニューを知っている人は「これと、これとこれ…」と的確に商品を選んでいきます。東日本の特急列車とのギャップに未だ圧倒され続けている私はそんなやり取りを指をくわえて眺めているのでした(爆)
辺りがすっかり暮れてしまうと、車窓をまともに楽しむことが出来なくなってしまいます。そうなると車内探検で雰囲気を味わったり、読書をしたりで退屈を凌ぐ体制に入るものなのですが、これはあくまで一人旅に限ったことで、複数の人間と車内での時間を共有しているとますます会話がヒートアップしていきます。
まして、この個室の中には定員4名のところ7名もの同志が集結し、アルコールも入っちゃっているわけですからその盛り上がり方はハンパじゃありません(笑)
列車が減速し、ふと車窓に目をやるともう熊本に到着してるじゃありませんか!?
でも案ずることはありません。まだまだ先は長いのですから…
ご覧ください。意識的に並べたわけではありませんが、いろいろ飲み食いしている最中の個室のテーブルです(^_^;)
溢れんばかりの酒とつまみ…個室の中がどんな盛り上がりになっているかイメージしていただけましたか?(笑)
さながら、青森と九州の名産品博覧会のような様相も呈していますが、大きなテーブルと自分の思い通りの空間が描ける個室だからこそなせる業の一つです。

用意していた焼酎はあっという間になくなってしまい、口直しにビールを注文です。サロンコンパートメントには客室乗務員さんを呼び出すコールボタンが備わっており、これを押すとノックと共に「御用ですか?」と姿を現すのであります。過去に個室に乗った際はなんとも恐縮で(笑)使わなかったわけですが、今回は何度かこのボタンを押してワゴンサービスのメニューを注文しまくっておりました(爆)
ってことで、2度目の乾杯です。

グリーン車では、利用者への感謝の意を込めて鹿児島銘菓「かるかん」が振舞われました。ビールに口をつけるのをやめてかるかんを噛み締めながら味わいます。
柔らかい生地の中にたっぷり包まれているあんこ、食べ応えがあり、大変おいしゅうございました。
車内では、グリーン車担当の客室乗務員さんが787系つばめの生い立ちを紹介しながら西鹿児島を発着する4代目のつばめの運転が今日で終わることを随時アナウンスし、紹介しておりました。
ここで、モバイル環境を用意してきている人たちは個室の「現状」を報告すべく行きつけの各所に書込みをしたり、他の同志の動向を探ってみたりと、コミュニケーションの拠り所となった電網本線を渡り歩いて情報のやり取りを行っておりました。
今思えば、インターネットに於いて電網本線という結びつきが成立していなかったら、九州も単なる憧れ程度でしか見なかったでしょうし、もし出かけることが出来たとしても一緒に乗る相手のいない状況では、グリーン個室は夢のまた夢で終わっていたかもしれません。そういった結びつきにも感謝の念を抱かずにはおれません。
列車は遂に終点の西鹿児島駅にたどり着きました。この車両で鹿児島まで乗り通すことはもう出来ません。
そういう事実を思い返すと、やはり寂しさを感じずにはおれないですね。
「まだまだ楽しもう!!」と誘惑しているかのような個室を離れ、西鹿児島駅のプラットホームに降り立ったのでした。
当たり前のように語り継げられてきた「いちばん楽しい列車」も、どこかしら寂しげな表情をにじませつつも、乗客をも楽しませることができたんだという達成感に満ち溢れた様子で、誇らしげに佇んでおりました。
この後あくる日のリレーつばめ運用への準備のため、回送列車として鹿児島の地を離れることになっています。
その瞬間をしっかり目に焼き付けて、ホームを後にしました。ありがとう…

第2部:「4代目」永遠に に進む

Feeling!!
The South Wind
第1部:終焉に寄せる宴
第2部:「4代目」永遠に
第3部:翔びたつ日
第4部:南の風を感じて
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