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第4部:南の風を感じて
沿線では、博多延伸に向けた新幹線工事が続けられているわけですが、着実にペースを刻んでいっている様子で、半年前と比べてかなり形になりつつある様子を認識することが出来ました。開業時期の前倒しも検討されている様子で、早い時期の完成が見込まれているようです。今出来上がった路線が一過性のフィーバーではなく、長期的なビジョンで如何様に盛り上げていくかが、その行く末を大きく左右しそうです。 …って、九州に限った話では無いんですけどね(^_^;)
…というわけで、ダイヤ改正という境界線を前後して、惜しまれつつt消え行く列車と華々しくデビューを飾った列車を一遍に味わうことが出来ました。 「欲張り!!」なんて突っ込まないでくださいね(笑) 歴史の移り変わりと対峙することが出来たこの組み合わせ、一生に一度しか経験することの出来ない旅程であるという意味でも、非常に思い出深く記憶に刻まれる旅行になったと思っています。 冒頭に於いて、私が出発前に感じたいと望んでいた、二つの風―まず、12日の西鹿児島へのラストランの南下の過程では、人数も膨らんだこともあって想像以上の盛り上がりで推移したため、良い意味でおおよそイメージとかけ離れたフィナーレとなったわけですが、これこそも列車自身が乗客に対してあって欲しいと抱いていた「楽しさ」であり、意識せずとも自然と感じることの出来る、優しさ溢れるそよ風のようなものだったのだと思っています 。 こうして思い返すことで「あぁ、心地よかった」と思えるような、そんな風を感じてきたのかもしれません。 そして、もう一つ。こちらはイメージとして描いていた通りでした(笑)とにかく、乗る前からエネルギッシュ!! そのスピードもさることながら、九州のオリジナルであることを誇示する存在感にまるで「春一番」のような強かさを受けてしまいました。鉄道史の中で由緒正しき名前として崇められていた「つばめ」という名前に、新しい歴史を刻む上でも、九州新幹線は期待していた以上に相応しい存在であることを認識することが出来ました。時間の経過を忘れさせる楽しい列車から速さを前面に押し出した列車へと格好に様変わりしてしまいましたが、逆に様々なかたちで伝統に様々なアクセントを付け 、引き立てていこうとしているJR九州の積極性に心が打たれるところです。 そういった部分から見出せる新しい価値観は、やはり直に乗って感じ取ることで自分なりの答えが見出せる部分だと思っております。半年前、勿体を付けて紹介できなかった理由として、やはりその価値観の何たるかを表現する力が無かったことが挙げられますが、今回は自分で実際に乗ってみて解釈しきれる部分を紹介したつもりです。
さぁ、南国の空を飛翔する新幹線つばめで、九州のフレッシュな浪漫鉄道の風を確かめてみませんか?