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Feeling!! The South Wind
あの日、ロマンスカーで。
新春乗り放題エボリューション'07
のぞみとゆかいな(?)私鉄達

Spirit of reconstruction
ぬくもりの鐵路
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第2部:ゆとりの北上

大宮では次の乗継まで少々時間があったので、遅めの昼食の買出しに勤しみます。
大宮駅で外せないのが先般の大規模改装により誕生した「エキナカ・ecute」。
一見すると、どこかのデパートの一角のような雰囲気を醸しておりますが、なんと、改札内のコンコースだったりするのです。
ホームの看板や、LEDの発車案内が辛うじて「駅」であることを示すのみ。なんとも垢抜けてるじゃありませんか。
その顔ぶれは、通をも唸らせる名店が軒を連ねて非常に華やか。
都会の人たちは、ここまで生活に列車が直結しているのかと認識しながらとぼとぼ歩き回っておりました。
買い物を済ませて、再び新幹線ホームへ。
程なくして姿を現したのは、新潟行のMaxとき号です。
先ほどまで乗っていたMaxとは違う出で立ち。こちらは12両編成で上越新幹線専用のE1系です。「朱鷺色」のストライプが鮮やかなリニューアル編成でやってきました。
E1系Maxとき号のグリーン車はご覧の通り。
リニューアルを機に新潟行らしい日本海をモチーフとしたシート生地が印象的で、地方のオリジナリティを生かした雰囲気を醸しておりました。
2階建ての2階席ゆえ、眺めも良好。先ほどのMaxやまびこでもそうだったのですが、久々のグリーン車乗車ということで、変に落ち着きません。
あえて時間をかけて走る列車を選んでいるのに、やたらと時間の経過が早く感じてしまったり。
気持ちの貧しさがまだまだ残っている感じです(-_-;)
大宮で買い求めたお昼はコレ。山形県・米沢駅の名物駅弁・どまん中。
最近になって首都圏で容易に入手できるようになったとのことで、こうして上越新幹線の車内でも広げられるようになったのです。
新幹線のスピードの進化と同時に、物流のスピードの進化にも感謝しつつ、有難味を噛み締めながら美味しくいただく事が出来ました。
どまん中を食べ終わる頃には、列車は上越国境を越えて新潟県へ。
トンネルを抜けると、何とやら(笑)といった具合に、本当に積雪が多いです。
とりわけ、越後湯沢から浦佐にかけては田んぼも何もかもが真っ白け。
地元・青森とは比較にならないくらいの積もりっぷりに唖然となってしまいました。
それでも雪晴れの穏やかな様相の中、新潟へ向けてひた走るのであります。
大宮から約1時間40分、列車は定時で新潟駅へ到着しました。
一息入れる間もなく、一目散に在来線へ乗り継がないといけません。
新幹線から吐き出されるかのように出てきた乗客はホームへ急ぎ足で大移動…
その慌しさは、盛岡駅でのはつかり号への乗り継ぎとイメージをダブつかせてくれました。
待ち受けていた列車は、青森へとロングランする特急いなほ号でした。
これから約6時間、じっくりと味わうように日本海を北上しながら青森を目指していきます。
ちなみに、この時はまだグリーン車で乗り通すということで若干気持ちに余裕はありました。
新潟を発車した頃から日が暮れ始め、ハイライトの日本海と面する区間では日も沈み薄暗さだけが際立つ寂しい眺めが車窓に映るのみ。
列車は線形の悪さと単線区間があいまって、時間のかかる区間をより一層時間をかけるかのごとく淡々と走り抜けていきます。
この辺は普通列車の本数も必要最低限の本数しか確保されておらず、特急列車が都会と地方を結ぶ生命線の役割も担います。
都会と地方の格差が社会で取り沙汰されている昨今、これを是正するために鉄道の果たすべき役割は何なのか、模索する必要があるような、切ない道中でした。
新潟を発車する頃は満席だったグリーン車も、村上、酒田と主要駅を過ぎるごとに乗客を減らしていき、遂に秋田を出る頃は自分一人に(^_^;)
過去何度かグリーン車の孤独を味わった事はありましたが、これほどまでの長時間を占有したことはありません。
…それでいて、ワゴンによる車内販売も酒田の到着を最後に全然回ってこず。
秋田の停車時間(3分)を生かしても飲み物を調達するに留まり、空腹によるイライラが募る一方でした。
せっかく、直通で列車の設定がある以上、直通で乗り通す乗客に対する車内外のアメニティに対する配慮があってもいいはず。今まで散々いい思いをしてきたツケなのかもしれませんが、あまり気持ちの満たされないまま、時間が流れていきました。
ようやく…といった感じで、青森駅にたどり着きました。
長距離を乗り通す列車に対する準備不足は否めませんでしたが、それを補うトータルでのサービス面にはちょっと疑問を投げかけるかのような道中、新幹線の行き届いたサービスまではいかなくとも、もう少しだけ心配りがあってもいいんじゃないかって思うような。虚しさ漂うフィナーレとなりました。
…とはいえ、いなほの到着したホームの反対側では、札幌行の夜行急行はまなすの自由席を狙って旅行客が列を成しておりました。
意欲と希望に胸を膨らませる面々の表情を見ていると、一人だけ辛気臭くなってても仕方ないなと思わせられましたよ(^_^;)

良いモノをひたすら褒め、悪いモノには物申すみたいな。いろんな意味で素直さをぶちまけてしまいましたが、総じてまたの機会にこうして乗鉄を楽しみたいという意欲を掻き立ててくれるような一日を過ごす事が出来ました。
自動車の発達と道路網の充実で、好きな時に好きなペースで車で移動できる便利な世の中であっても、列車に「乗せられる」ことで抱く安らぎや、考え事、出会いやふれあい…等々、車を運転していてまず有り得ない様な要素に浸りながら流れる時間を過ごしていくのは、自分自身をリフレッシュするきっかけの一つとして捉えてもいいように思えます。
今回は、自分から離れかけていた「乗鉄」への情熱を取り戻すための旅でしたが、同時にそれまで冷めていた次にやってみたい事への繋がりを築いてくれた、いいきっかけだったと認識できました。
そして、いつ見ても面白おかしく振り返られるような素晴らしい記録を再び残していけるように。
今後も機会があるごとに列車に乗りまくっていきたいと考えております。

新春乗り放題
エボリューション'07
第1部:高速南下
第2部:
ゆとりの北上
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