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Feeling!! The South Wind
あの日、ロマンスカーで。
新春乗り放題エボリューション'07
のぞみとゆかいな(?)私鉄達
Spirit of reconstruction
ぬくもりの鐵路
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第6部:めいてつを いってもどって セントレア

名古屋駅前のホテルで迎えた最終日の朝、帰りの飛行機は夕方の出発なので、時間は持て余すくらいたっぷりとあります。
ゆったりと朝食を取り、ベッドでゴロゴロテレビを見たり…観光する気は全くナシ(苦笑)
ようやく重い腰を上げてチェックアウトしたのが9時過ぎで、雨のそぼ降る駅前を歩いてやってきたのは名鉄名古屋駅でした。
名鉄百貨店の地下から列車は発着しているため、デパートに着くとすぐに階段を下りていきます。
地下ホームに降り立つと、赤い普通列車が右から左からせわしなく!!
中京圏の生活の足として大車輪の活躍を続ける名鉄の電車は、そのほとんどが赤一色のカラーリングを纏っており、名古屋の名物の一つとして挙げる人も少なくないとか。
JR主体で考えていた自分の頭の中は、赤といえば九州を思い浮かべてしまうのですが、九州が赤色でアピールするずっと前から、名鉄の「赤」は定着していたという事になります。
この名鉄名古屋駅で、しばらく撮影に専念する事にしました。
列車密度が非常に高く、無意識にバチバチと色んな列車を撮りまくってしまいます(^_^;)
そうした中でやってきたのが、元祖・パノラマカー!!
小田急ロマンスカー等に代表される、展望列車のパイオニア的存在です。
名鉄のシンボルとして、長年特急列車として走り続けてきましたが、世代交代の流れには勝てず、格下種別での運用に徹しております。
とはいえ、展望席の人気は上々で指定券をとらなくても利用で着る気軽さからか、どの列車も程よく埋まっている印象を受けました。
そして、現在名鉄の看板特急は、このパノラマSuperです。
パノラマカーから続く展望構造を継承しつつ、時代に見合ったデザインと性能で主役の座に君臨しております。
展望席は親子連れでほぼ満席。ガラス越しに展望席の感性が伝わってくるかのようです。

そろそろ自分も、この特急に乗ってみたくなったのでホームの特別車券売機にて指定券を買い求め、列車の到着を待ち受けます。
やってきたのは、快速特急の岐阜行。先頭は、一般車(自由席)を連結した8両編成です。

あれ?展望席は…??

ここて私鉄シロートの本領を発揮してしまった自分(^_^;)
岐阜行の特急の展望席は後ろ向きであることを全然知らずに切符を買ってしまったのでした。
前面展望ならぬ、後方展望(爆)
後ろ向きに流れる景色を堪能しながらの道中が始まります。
…で、名古屋からの乗客は自分一人!!
なんと、展望席貸切状態で岐阜を目指すという、前代未聞の珍事に見舞われました。
後ろ向きで流れる眺め、しかも指定座席は最前列(^_^;)
素直に喜んでいいのかどうか(爆)それでも「貸切」というアドバンテージが今までにないゆとりを与えさせてくれます。
小駅をノンストップで過ぎ去っていく豪快さは特急ならではの優越感。
パノラマSuper同士の迫力の離合も楽しめました。
窓の上には、現代の特急らしくLEDの案内表示も設置されていたのですが、走行中は速度表示も頻繁に行われておりました。
最高速の120キロ前後をキープしながら走っていることを窺い知ることができます。
イラストでデフォルメされた車両の表示がかわいらしかったりします。
そんなこんなで、約30分間の展望席占拠の後、名鉄岐阜に到着しました。
岐阜に着いても、することはありません(^_^;)
残念ながら、駅舎は改築工事中で手狭な印象、オマケに雨も降っているわでまともに身動き取れません。
仕方なく、復路の指定券を買い求めてホームでボーっとしておりました。
…そしてやってきたのが、今回の旅のラストの電車移動となる空港特急「ミュースカイ」。
その外見に、違和感を感じずにはおれない方々は数多くいらっしゃるでしょう…
「あれ?赤くない…」と、どっかの歌でも歌われているように、車体のどこを見ても赤くないのであります。
今までの名鉄のイメージを、ここまで覆してしまってもいいのかと思うくらい、ベツモノのオーラを漂わせながらやってきた、ミュースカイ。
これに乗って、セントレアこと中部国際空港を目指す事になりました。
車内の様子も至って淡白。客室内に限っては「名鉄らしさ」というのはあまり無いのですが、外見を見てわかるとおり名鉄特急ではお決まりの前面展望もありません。
今まで培って、親しまれてきたアイデンティティーを、いとも簡単に拭い去ってしまっていいのだろうかという疑問と、全く新しいコンセプトの車両を入れることで、全く新しい価値観の創出にシフトし始めた事に対する注目とがクロスオーバーした、なんとも複雑な気分で、座席に腰を下ろしました。
出入口の上部には、それまで一般的だったLED表示から、液晶ディスプレーによる案内板が設置されておりました。
昨日乗ったアーバンライナーnextや、以前乗ったロマンスカーVSEにも採用されており、現代の私鉄新型特急の一つのトレンドとして取り入れられている印象を受けます。
運転席にビデオカメラを設置しているようで、案内表示が終わるとこのように前面展望のライブ映像に切り替わります。
速度表示と相まって雰囲気は盛り上がるのですが…画面が小さいのでダイナミックさには欠けるような。
やはり、展望はナマで見るに限ります。
いよいよセントレアが近づく頃になると、先ほどの案内板ではターミナルビル内の案内ビデオが流れ始めます。
列車を降りてから、国際・国内線の各出発ロビーに至るまでのアクセス方法を実際に歩いている視点で案内をしていたのが印象的でした。
込み合うターミナル内でも、案内ビデオのイメージどおりに歩いていけば、初めての人でも間違わない…かも?
かくいう私も、セントレアが初めてな上ただの見物ではなくて実際に飛行機に乗らないといけないので、食い入るように眺めておりました(爆)
客室内は、いつの間にかブルーのLEDランプが灯っております。
終点のセントレアに近づいてきたことを知らせる演出の一つだそうで、滑走路の誘導灯に非常に似ております。
こういうさりげない演出でこれから飛び立つ人達のボルテージも、否応なく上がってくるはず。
名残惜しつつも、ワクワクしながら列車の到着を待ち受けることにしましょう。
そういうわけで、中部国際空港駅に辿り着きました。
プラットホームと列車の間はガラスで完全に仕切られており、完全に建物の中にいる感覚です。広くて明るい空間が、空港っぽい感じがして雰囲気としてはいいのですが…
直に列車を見られない点は、趣味人としてなんとも惜しい感じです(苦笑)
セントレアは、鉄道駅とバスターミナル、タクシー乗場等が「アクセスプラザ」という建物に集約されていて、そこから空港ターミナルへは連絡通路を介しての移動となります。
大きな空港にはお決まりの水平エスカレーターに乗っかれば、空港気分も倍増!(笑)
帰りの飛行機の時間まで、かなり余裕があったのでターミナルビルの中で時間を潰す事にします。
巨大な空港ゆえ、ネタには事欠かないのが特徴的。まずは、和風ショッピングモール「ちょうちん横丁」でお昼ごはんをいただきました。
まだ、出来て間もないセントレア物珍しげに歩き回る見物客と、日曜日の午後で飛行機で家路に着くと思しき行楽客の面々で、行く先々のお店は押し合い圧し合いの大混雑(^_^;)
ゆっくりする余裕すらありません(爆)
お昼ごはんを食べ終えてもまだまだ余裕があるので、屋上のスカイデッキで飛行機ウォッチング…といきたかったのですが、梅雨時の土砂降りに見舞われ、見物どころではなさそうなあいにくのお天気。通常ならば、デッキのあちこちに散らばって展望するはずの見物客も、軒下で所在無げに佇む様子が非常に空しかったです(-_-;)
仕方なくターミナルをぶらぶら歩いていたら…見つけました!!
セントレア名物の「空港温泉」。
日本全国探しても、空港ターミナル内でお風呂に浸かれるところはセントレア以外ありません。
テレビでもピックアップされた人気スポットでもあります。
当然ながらお風呂の撮影は出来なかったのですが、目の前に駐機スペースの広がる展望浴場は、壮観の一言に尽きます。飛行機の好きな人なら思わずのぼせてしまうくらい、湯船に浸かって飛行機を眺め続ける事が出来ます。
いやぁ、非常にいいお湯でしたよ。
さて…そんなこんなでセントレアでのひとときもいよいよ佳境、保安検査を済ませて出発ロビーへ向かいます。
程なくして、これから自分が乗り込む機材がボーディングブリッジへ接近してきました。
旧JAS時代の地方路線主力機、MD-90.
大型機材を見慣れた飛行機愛好家から「モヤシみたい」なんて言われても、青森では馴染みの飛行機なので、個人的には愛着があります。
そういうわけで、青森行の空の便でこの旅を締めくくる事にいたしましょう。
最後の移動に相応しく(?)ここでもアッパークラスを奮発しちゃいました。
JAL国内便の上級クラス「クラスJ」は、普通席からわずか1000円でアップグレード出来ちゃうのであります。
機材によって座席数が少ないものもあって、このクラスJは人気の的だったり。
今回は、2ヶ月前の予約で格安運賃で乗れる、バーゲンフェアでの搭乗だったので当日空席が無いと、この座席は指定できなかったのですが…見事に窓側座席を確保。
やりました!!
飛行機に乗ると、当たり前のように飲み物のサービスが付くのですが、クラスJではお茶菓子のサービスまで受けられます。
それよりも…客室乗務員のおねえさんのファーストコンタクトにちょっと感動!!
「○○さま(←自分の名前)クラスJ御搭乗ありがとうございます…」
なんと名指しでサービスしてくれるではありませんか。
プラス1000円で、こうした心の通ったもてなしを受けられるとは、いい経験だなぁとつくづく感じました。
飛行機は、セントレア離陸後から厚い雨雲を突き抜けて雲上を巡航していましたが、新潟を越えて秋田上空の辺りで、陸地を判別できるくらいの晴天の下のフライトとなりました。
気圧の急変動によって、離陸直後から今までに経験したことのない頭痛に見舞われたのですが、この辺でようやく治まってきた感じです。
…が、この直後からシートベルトのサインが灯って着陸態勢へ。
こうして、呆気ないひとときを経て、青森空港へ無事に着陸したのでありました。

例によって、列車に乗ることで思い出を培う旅路となってしまったわけですが、旅に対する達成感や満足感は人それぞれであり、これといって決まりきったものではありません。
でも、目的はどうであれ移動する手段に「ただ乗ってる」だけではもったいないです。景色を見る、くつろぐ、そして眠る…それぞれの過ごし方を印象としてとどめておく事で、何気なく利用したものが後々に思い出になりうるのではないでしょうか。
鉄道に限らず、バスに飛行機。それぞれを利用してみて、「味気ないものにさせない」工夫というものを随所に感じ取る事が出来ました。
個々の価値を重んじる時代、利用したそれぞれの人々の記憶の中に宿れるような、そんな顔ぶれとたくさん巡り会えたような道中でした。
さらに、今回は利用した移動手段の先々で、率先して上級クラスをチョイスしたこと、このことで今一度、至高のもてなしというものを受けながら、各々のポテンシャルを存分に堪能できたと思っております。
共通して言える事は、負の格差の是正といいましょうか、とにかく一般のクラスとの金銭面の開きが大きくない事、最近の傾向にある気軽なゼータク感が拡大の一途を辿っているのは嬉しい事であります。
サービス面での大きな差も同時になくなりつつありますが、、そんな中でもどこかしら多めに投資してよかったと思わせる、安らぎが確保されていて、どれもこれもどっしりと構える事ができました。
たくさん乗って、またさらに乗りたくなる…特別乗りつぶしとかを極めたいと思ってなくても、目を引く存在の登場がどんどん意欲を掻き立ててくれるはず。
さぁ、次はどこに乗りに行きましょう…

のぞみとゆかいな私鉄達(?)
第1部:夜想曲に奏でられ
第2部:のぞみ、かなうとき
第3部:AMBITIOUS! Central
第4部:Go! for...KIX
第5部:アーバン・ジャーニー
第6部:
めいてつをいってもどって
      セントレア
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